シソーラスの定義



有名なある英語辞典では、「シソーラス」のことを「類義語と関連する概念の言葉のグループを一覧にした本」と定義しています。情報アーキテクトにとってのシソーラスは、ナビゲーションや検索を改善するために情報環境の中で統合化されたもので、形状と機能は異なっていますが、使い慣れた参考書のような気がします。参考書と同じように、シソーラスは語義に関する概念のネットワークであり、単語とその類義語、同音異義語、反意語、意味が広い用語や狭い用語、関連用語などと結びついています。更にシソーラスはオンラインデータベースの形となっており、デジタル製品やサービスのユーザーインターフェースと緊密に結びついています。伝統的なシソーラスは、人々がひとつの単語から多くの単語へと進んでいく手助けをする一方で、その反対の手助けもしているのです。何かといえば、シソーラスにとって最大の目標は、類義語の管理であって、たくさんの類義語や変形語を1つの優先語や概念にマッピングすることで、言葉のあいまいさを減らし、人々が欲しいものを見つけられるようにしているのです。そういうことも踏まえ、シソーラスを次のように定義するのはどうでしょうか。シソーラスとは、検索向上のために同義性、階層性、関連性を明らかにした制限語彙のことであると。シソーラスはこれら3つの語義関係を基本にしながら、単純な制限語彙の構造物の上に成り立っています。3つの語義関係の中で、優先語が語義のネットワークの中心といえるでしょう。同意義関係の焦点は同義語の管理です。階層関係は、優先語をカテゴリーやサブカテゴリーに入れることができます。連想関係は階層関係や同意義関係では扱うことのできませんし、これら3つの関係は情報検索およびナビゲーションのために違う方法で役立つのではないかと思います。